世紀末日本に奴が帰ってきた
っていうか、なんとなく時代に迎合して
癒し系キャラとして復活。

たまのり、すき、最高記録９．５匹などの攻撃を行いつつ
時速２．７５ｍで町内を横断。
今までだったら一瞬の内に通過していた周辺市町村も長期間放射能漬けに。
でも、離れた場所なら含有される放射性物質のおかげで体の芯までポカポカあったまるよ。やっぱ癒し系。
そんなゴジラの横暴を見かねた科学者たちは
ゴジラの生態を参考に機械獣「メカごじら」を完成。
日本の明日はメカごじらの双肩に。

でもとくにたたかわない

「私はゴルチェを許さない！」
　1996年パリコレ。ゴルチェ対ガリアーノの絢爛たるショウに巻き込まれて両親を失った少女は、J・P・ゴルチェへの復讐を誓った。

　2000年、春。彼女は超古代の遺伝子改造獣イッセイ・ミヤケと交感し、新コンセプトのファッションで日本を恐怖のどん底に叩き落とす！
　やがて巨大化したイッセイは、イッセー尾形となって京都に降臨し、「脳コントロール・バンド」や「マユゲ男」の一人芝居で市街を破壊し始めたのだ。
　イッセーに対抗できる芸があるのか、ゴルチェ！負けるなゴルチェ！

こころの傷と向き合うあなたを
まるで春の陽ざしが雪を溶かすように
穏やかにこころを浄化してくれる
“癒し”……。

だが！新ミレニアムを迎え、遂に癒しは牙を剥いたッ!!
トラウマを刺激する誹謗中傷を最大音量ノイズ・インダストリアルにのせ、爪で黒板をスクラッチしながらカウチに横たわるあなたに迫る！
嘔吐を催す凄惨な戦場死体映像がその伴侶。「自殺」「誰からも愛されない」等の単語が効果的にインサートされるアバンギャルドな映像こそ、新世代癒しの真骨頂だ！

新世代ヒーリングは室温36度、不快指数100の狭い密室内で行われる。
壁面には面白半分に遺伝子改造されたナゾの生物の毛皮が張り巡らされ、黄色い膿のような粘液がじくじくと滲出して生理的不快感を増幅する。

ヒーリングルームは老朽化した中層ビルの屋上、崩落しかけた周縁部にぞんざいに設置され、不安定に揺らめいている。
しかも癒しの身体は50センチの針で覆われ、尖った先端は常にあなたの眼球のそばにあり、ヒーリングルームの揺れに呼応して微かに、そして激しく揺れる。

あああ、こんな癒しは癒しじゃないいいい!! ――そう思いながらも、あなたはすでに癒しの虜だ。
もう癒しを手放せない。これからも、ずっと。